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コンタクトセンター用語集:押さえておくべき最も重要な用語

February 22, 2022 顧客体験

By Medallia

コンタクトセンターについて話し合うとき、私たちはどのような認識を持って対話しているでしょうか?本記事では、話し合いの際に共通認識の基礎となるコンタクトセンターに関わる用語集をご紹介します。

米国だけで見ても、何百万人という数のコンタクトセンターの従業員が第一線で働いており、メール、SMS、ライブチャット、電話などのチャネルを横断してブランドの声として顧客の問い合わせに対応しています。コンタクトセンターは、顧客がそのカスタマージャーニーを通じて利用する重要なカスタマーサービスの1つとして、顧客満足度、顧客維持、顧客生涯価値などに影響を及ぼします。

新型コロナウイルスが大流行し始めた直後、コンタクトセンターの重要性はより一層高まり、サービス取扱量は最大で800%増となりました。そして、近年のデジタルトランスフォーメーションの流れで、日常的な業務がよりデータドリブンかつアジャイルに革新したコンタクトセンターの新時代が到来しました。

ところでコンタクトセンターのパフォーマンス向上に不可欠となる指標や運用に関わる主な用語、そしてコンタクトセンターの機能について、共通の理解はあるでしょうか?本ブログ記事では、コンタクトセンターの理解、コンタクトセンターについての話し合いに役立つ、押さえておくべき関連頻出用語ををご紹介します。是非、貴社内の関係者とのコミュニケーションや社内トレーニングなどにお役立てください。

コンタクトセンター用語集:コンタクトセンターの頻出用語集と定義

インタラクション — 顧客またはエージェントが企業との間で行うあらゆるやり取り(例:アンケート調査、チャット、音声通話、Webサイト訪問など)。

エージェント — コンタクトセンターまたはカスタマーサービスチームのスタッフ。メール、電話、ライブチャット、SMS、およびその他のチャネルを介して顧客の問い合わせに対処します。

オーバートーク — 片方が話している時に、もう一方の話者がかぶせて話すこと。通話記録におけるオーバートーク率は、エージェントによるオーバートークの回数をエージェントが話す番の合計数のパーセンテージとして表したものです。つまり、エージェントが話す番の合計回数のうち、クライアントが話す番を遮った回数を測定します。

オムニチャネル — 顧客がブランドとやり取りする複数の主要チャネルが、一貫性を持ち、シームレスな体験になるように設計されていること。例えば、Webサイト、モバイルアプリ、店舗、コンタクトセンターなど、異なる顧客接点からお客様がコンタクトしてきてもお客様の状態が一貫性を持って確認でき、対応できるような状態であることを示します。

カスタマーサービス — 取引中またはその前後を含め、顧客の生涯カスタマージャーニーを通じて顧客および潜在顧客を助ける活動。主に対面、電話、メール、テキスト、ソーシャルメディア、ライブチャットなどを介して寄せられる問い合わせや懸念、および苦情への対応として行われます。

カスタマージャーニー — 顧客が企業と行う、広範かつ長期的で多岐に渡るやり取りを指して使われる用語。より厳密な定義をするならば、ある顧客がニーズを自覚してからそのニーズが満たされるまでに経験した、具体的なやりとり(ブランドや競合他社との間で、または顧客本人の生活において)について、顧客視点から表現したものと言えます。

共感 — ビジネスの文脈における共感とは、企業とその従業員が現在および将来的な顧客ニーズを予測、認識、理解、引き受け、および応対できる能力を示します。これは、顧客とのやり取りの中で、顧客の状況および思考に自らを没入させることで最もうまく発達させることができます(例:会話、フィードバック、およびストーリーテリングを通じて)。

苦情 — 任意の企業、製品、サービス、または従業員に対する否定的なフィードバック。一般的に、当該企業のWebサイト、メール、カスタマーサービスチャネル(コンタクトセンター、チャット、または店舗の対面式サービスデスク)、アンケート調査、ソーシャルチャネル、または第三者レビューサイトを介して共有されます。消費者製品企業は、苦情を保証に関わる問題と組み合わせることで、改善すべき領域に優先順位を付けます。

クロスセル — カスタマーサービスまたはコンタクトセンターのエージェントは、サポートを提供する際に関連サービスを宣伝(クロスセルまたはアップセル)するよう指示される場合があります。これには、航空会社が旅行客に対して座席のアップグレードまたは受託手荷物代の購入などを推奨する場合が挙げられます。

コーチング — カスタマーサービス監督者が、エージェントのパフォーマンス改善を目的にガイダンスおよびフィードバックを提供して、顧客満足度の向上を目指すことを指します。

顧客体験(CX: Customer experience) — あるブランドまたは企業のサービスや製品を利用した顧客がその経験に対して抱く認識。これは、Webサイト、カスタマーサービス、そして製品やサービスの購入、その使用経験などに渡る、あらゆるやり取りから得た体験を基に、時間を経て出来上がってくる認識です。企業は、体験のシグナルを取得・分析して、顧客ロイヤルティにつながるアクションを予測し、改善アクションを起こします。顧客体験の改善は、顧客ライフサイクルのあらゆる地点で実行され、ロイヤルティを促進できるようします。

顧客努力指標(CES: Customer effort score) — 2008年にCEB社が考案した顧客体験指標。顧客がカスタマーサービスからヘルプを得る等の任意の活動をどれだけ簡単に完了できるかを測定する指標です。より合理的で摩擦のない顧客体験を作り上げるために使用される指標です。2013年、CEBはCESに関するアンケート調査の文面を若干修正し、7段階の評価尺度に拡大しました。

顧客の声(VoC) — 顧客フィードバックを収集して、組織内で共有するプロセス。企業は、顧客体験の詳細を理解し、その改善方法を見つけるため、アンケート調査、ソーシャルリスニング、カスタマーサポート、その他のチャネルから顧客の考えや感情に基づいたブランドや製品への顧客フィードバックを収集します。

顧客フィードバック — 顧客が利用した企業の製品またはサービスについて該当企業や他者と共有した意見、洞察、および感情のこと。フィードバックは、アンケート調査、各種メッセージングチャネル、SMS、ソーシャルメディア、メール、カスタマーサポートへの電話、ライブチャット、など多岐に渡るチャネルから共有されます。これには、苦情、称賛、中立的な意見があり、さらにアンケート調査のように企業の求めに応じて返信されたフィードバックとS N Sのように顧客が自発的に発信するフィードバックが含まれます。

顧客満足度(CSAT: Customer satisfaction) — ある企業、製品、またはサービスに対して、もともとの期待値と比較してどれだけ満足したかを示す指標。一般的に、アンケート調査や、その他の顧客フィードバックチャネルを通じて収集します。

コンタクトセンター — 電話、メール、ライブチャット、ソーシャルメディアなどの幅広いチャネルを介して、顧客からの問い合わせおよび問題に対処するカスタマーサポートチーム。

サービスリカバリ — 前回のサービスの問題または障害を認識して、状況の修復に向けて顧客との状況改善措置を講じるプロセス。一般的に、サービスリカバリは顧客との「関係を回復」させるため、通常以上の労力や注意を必要とします。

CPC(コスト・パー・コール: Cost per call) — コンタクトセンターが処理する全ての電話の平均コストを算出する方法。このコンタクトセンター指標を計算する方法は多数あります。1つは、コンタクトセンターが1時間あたりに受ける電話の数をエージェントの給与で割る方法になります。

自動音声応答システム(IVR: Interactive voice response) — 顧客が企業のカスタマーサービス番号に電話した際につながる自動システム。顧客は実際のエージェントと話す前に、電話目的の説明、個人情報の共有、またはメニュー選択を行います。

初回完結率(FCR: First call/contact resolution) — コンタクトセンターの重要な主要業績評価指標(KPI)。企業が通話、あるいはメールまたはサポートチケットなどのその他の形態によるコンタクトを受けた際に、初回のコンタクトで顧客の問題または問い合わせを解決できる率を測定します。

人工知能(AI) — 元々は人間が行っていたタスクを取り扱うように設計された、スマートな技術。AIはコンタクトセンターにおいて多様な用途で使用されていますが、主な領域は2つあります。1つ目は分析です。AIでデータを大規模に処理・分析することで、そのパターンを特定し、重要なテーマを認識しやすくします。2つ目は、コンテンツ提案です。AIで対話式チャットボットを駆動させ、顧客の問題解決を助けるコンテンツを提案します。自動で処理プロセスを開始することもできます。

スピーチアナリティクスおよび音声テキスト化 — 音声会話(電話または音声でのフィードバック)を自動的に文字起こしするAI駆動のテクノロジー。顧客体験および顧客センチメントに関するインサイトを提供し、カスタマーサービスエージェントの顧客対応品質などを評価します。

セルフサービス — 顧客が企業のチャットボットサポート、ナレッジベース、動画チュートリアル、またはよくある質問(FAQ)を使うことで、自ら抱えている質問に対する回答を見つけたり、問題を解決できることを指します。

センチメント — 顧客および潜在顧客が企業やブランドに対して感じている肯定的、否定的、または中立的な見解、態度、意見などの定性的な評価。Webサイト訪問者によるフィードバックやソーシャルメディア上のブランドの言及などから評価ができます。自然言語処理(テキストアナリティクスなど)では、文章またはフレーズのセンチメントは機械学習アルゴリズムによって推定され、自動的にタグ付けされます。

ダイアライゼーション — 音声テキスト化テクノロジー(以下参照)を利用する際に、誰が話しているかに従ってモノラル音声をエージェントと顧客の2つのチャンネルに分けるプロセスを指します。ダイアライゼーションスコアが高ければ、音声認識装置がより正確にフレーズを分離できたことを示します。

チャットボット — 人工知能(AI)駆動型カスタマーサポートチャネル。顧客からの問い合わせや苦情を分類しやすくします。

チャネルのサイロ — 同じ会社のアプリとWebサイトで異なる情報を掲載するなど、複数の顧客チャネル間で一貫性が欠如している状態に陥ること。これは、劣悪な顧客体験、高コスト、および低いCVRにつながります。

通話時間 — エージェントが顧客からの通話を最初から最後まで処理するのに費やした時間。

通話処理 — 通話終了後にコンタクトセンターが行う処理プロセス。通話の目的および会話の最終的な結果または状況をまとめます。エージェントは社内文書の作成または将来的な参照を目的に、社内の通話処理メモまたは状況の記録を作成します。これにより同じ顧客が再び連絡してきた場合により優れたカスタマーサービス体験を提供できるようにします。こうしたメモは、フォローアップが必要であるかどうかを含め、必要に応じて次に取るべきステップを詳述します。

通話沈黙時間 — 通話者が誰も話していない、通話時間中の沈黙時間が占める割合。

電話問い合わせ件数 — コンタクト量とも呼ばれ、コンタクトセンターが1日、1週間、1ヶ月、四半期、または1年などの一定期間に受ける電話またはコンタクトの量を指します。

Net Promoter Score(NPS®) — Net Promoter Scoreは、顧客がある製品またはソリューションを友人または同僚に推薦する可能性を0から10の11段階の評価尺度を用いて測定するものです。企業は推奨者の割合(スコアが9~10の回答者)から批判者の割合(スコアが0~6の回答者)を差し引き、総合的なNPSスコアを計算します。NPSスコアの範囲は-100~100の間になります。
NPSが高い効果を発揮するのは、任意のブランドと競合他社のNPSスコアを独立調査会社によるダブルブラインドテストで比較する場合です。NPSは、シンプルで解りやすいという面で高く評価されており、さらに顧客が評価したスコアの理由を明らかにできるという点にその最大の価値があります。製品またはサービスに対する総合的な顧客満足度、並びに総合的な顧客ロイヤルティの測定するために使っている企業もあります。

品質管理(QM: Quality Management) — 主な構成要素は、品質計画、品質保証(QA)、品質コントロール、および品質改善の4つです。品質管理は、製品およびサービスの品質だけでなく、それらを達成する手段にも焦点を当てています。大規模なコンタクトセンターの場合、QA部門のトップは、QM部門の直属の部下となります。

品質評価(QE: Quality Evaluation) — 監督者またはQAチームメンバーが具体的な基準に基づき個別の顧客インタラクションにスコアを付けるQAのプロセス。これまで、こうしたQA監査は時間がかかり、非効率的でしたが、ほぼリアルタイムのQAソフトウェアのおかげで企業は適宜評価を実施し、より適切なコーチングを即座に提供できるようになりました。

品質保証(QA: Quality assurance) — 企業が一貫性あるパフォーマンスと品質を確保するため、カスタマーサービスのやり取り(インタラクション)を社内で監査するために実施する、定期的なチェックおよびレビュー作業。

平均後処理時間(ACW: After call work)— 顧客とのコンタクト完了直後から、そのやり取り(インタラクション)に関連してエージェントが行うあらゆる補完的作業を終わらせるまでの時間。

平均応答時間/平均処理時間(AHT: Average handling time)— カスタマーサービスの通話が始まってから終了するまでの平均的な通話の長さです。これには、通話時間、保留時間、およびエージェントが通話終了後に必要な処理するために行った作業が含まれます。業界標準は約6分ですが、業界や事業規模に応じて異なります。

平均応答スピード(ASA: Average speed of answer)  — 顧客からの連絡があったのち、応答するまでの平均時間。通常、企業はリアルタイムの通話のみを対象に、社内的な視点から測定します。例えば、多くの企業は最初の自動音声応答システム(IVR)が完了してからカウントダウンを開始します。

平均解決時間(ART: Average resolution time) — カスタマーサービスがやり取りを開始してから、問題が完全に解決し、ケースが終了するまでにかかった平均的な時間です。

平均初回レスポンス時間/平均初回応答時間 — 顧客が電話、メール、またはライブチャットによるサポートに連絡してから、コンタクトセンターチームのメンバーから応答を受けるまでにかかった時間の合計になります。

平均通話時間 — 顧客がコンタクトセンターのエージェントと話す平均時間(秒/分/時間など)。これには平均処理時間とは異なり、顧客の保留時間は含まれません。

ヘルプセンターまたはヘルプデスク — 顧客がヘルプを得られる場所(例:Webサイト、電話番号、ビデオセッション、または物理的な場所)のこと。Web上よくある質問(FAQ)やナレッジベースなどのセルフサービス、サポートチケットの発行などもできるライブチャットなどのインタラクティブなサポートが増えつつあります。

放棄呼/アバンダン コール — 顧客がコンタクトセンターエージェントと話す前に切った電話。ここでは、 放棄率(AR)という指標を用います。

放棄呼率 — インバウンドのカスタマーサービス通話の合計の内、顧客がカスタマーサービスエージェントと話す前に通話を切断した割合を指します。この割合を計算するには、放棄呼の数をインバウンド通話の合計数で割ります。

マルチチャネル — 顧客がブランドとやり取りを体験する様々な手段(例:Webサイト、店舗、コンタクトセンターなど)。類似した用語で「オムニチャネル」(定義は前述)がありますが、こちらは様々なチャネル全体がより一貫性を持ってシームレスに体験できる状態になっている場合に使います。

予想待ち時間(EWT: Expected wait time) — 顧客がコンタクトセンターのエージェントから返答を得られるまでに保留されるか、カスタマーサービスキューで待たなくてはならないとして企業から通知される平均待ち時間。

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