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5.アンケートの回答率を上げるには

September 10, 2021 顧客体験

By 内海 雄介(Utsumi Yusuke)

どんなに良いアンケートを作成しても、回答がなければ顧客体験の改善につなげることはできません。また、極端に回答数が少ない場合、その少ない回答を基にアクションを起こして、顧客全体の体験の改善につながるかはわかりません。そのため、多くの当社クライアントが回答率についてはかなり重視して取り組まれております。今回のブログでは、様々なクライアントと共に取り組んで来た経験を基に、回答率を上げるための手段について共有させて頂きます。

Medalliaではアンケート収集のプロセスを3つのステージに分けて、それぞれに対して工夫できる部分を検討するようにしております。

1. アンケート依頼

即時にフィードバックを依頼する 顧客とのやり取りの後、できるだけ早くアンケートの依頼を送付します。これにより回答率が高まるだけでなく、やり取りの内容が鮮明に残っているため正確性も増します。お客様とのやり取りの直後にアンケートを送付すれば、現場の従業員はリカバリーを素早く実施するための機会にもなります。

どのデバイスからでも回答できるアンケートにする 現在はパソコンだけでなくモバイル端末を使用して回答する方も多いので、アンケートサイトについてはパソコンだけではなく、モバイル端末上の操作も問題ないことを確認してください。サーベイでの体験が悪いと、離脱率が大幅に増えてしまいます。

シンプルな依頼文にする 依頼文についてはサーベイ回答のお願いだけに絞りましょう。依頼文の中で、例えば「ツイッターのフォロー」や「Facebookのいいね」のお願いなど、他のお願いについてはあまり書かないようにした方が良いでしょう。

カスタマイズされた内容で依頼する できる限りお客様に対してカスタマイズした内容にするようMedalliaでは提案させて頂いております。「お客様」で始まるメールと「内海様」で始まるメールがあったら、間違いなく後者の方が興味を引きますし、信頼もできるかと思います。また、具体的な内容についても可能であればカスタマイズします。「保険会社Aについてどう思いますか?」ではなく「8月16日のお電話での応対について聞かせてください。」というようなイメージです。

所要時間を明確にする 回答にどの程度時間がかかるかを明示しましょう。依頼文の中で、回答が短時間で済むことを具体的な分数で伝えます。もし、所要時間を記載したら回答を敬遠されるのではないかと心配になるようなら、アンケートの長さについて見直した方が良いかもしれません。

2. アンケート内容

確実に答えられることだけを質問する アンケートを作成する際、回答者に関連する質問のみを聞くようにしましょう。例えば、コールセンターに電話をしていない可能性があるお客様に、コールセンターエージェントの対応について質問するということのないようにしましょう。

できる限りカスタマイズした設問にする アンケート依頼のメールだけではなく、アンケートの設問や文言についてもできる限りお客様一人ひとりの経験に合わせてカスタマイズしましょう。これにより離脱率を下げることができます。(アンケート設計に関するブログはこちら

既にわかっていることは聞かない アンケート依頼を送る相手の情報がわかっているのであれば、お客様のお名前や性別、年齢、アンケート対象となったやり取りの内容を尋ねたりしないようにしましょう。

回答を途中から再開できるようする お客様はフィードバックをしたいのに、何か急用が発生して中断されてしまう場合もあります。アンケート回答を途中で止めても、回答済みの内容は失われないようにしましょう。ソフトウェアは必ずこの機能があるものを使用しましょう。

リマインドメールを送付する 初回のアンケート依頼のメールを送付した際は、たまたまお客様の忙しいタイミングだったかもしれません。その場合を想定し、ご回答頂けていないお客様にはリマインドメールを送付することをおすすめします。Medalliaでは通常、初回の依頼から4日程度経った後に送付しております。尚、リマインドメールは多くても2回までにしておきましょう。

3. 次回アンケートに向けて

フィードバックに対してアクションを取る アンケートにフィードバックをしたのに何も反応がない場合や、改善が見られない場合は次回アンケートに対する意欲が薄れてしまいます。もちろんフィードバックで頂いた改善点に対してアクションできるのがベストですが、もしできない場合でも「現在対応中です」などといった返信ができると次回アンケートへの回答率が高まるでしょう。

過剰アンケートを避ける アンケート依頼の頻度について厳密な決まりはありませんが、フィードバックの依頼が頻繁すぎると回答者が回答しなくなってしまうということが起こります。目安としては、過去に依頼した人に再度アンケート依頼を送る場合は、90日後以降とするのが良いでしょう。非常に短いアンケート(所要時間1分程度)であれば頻繁に行っても問題はないと考えます。(適切なアンケートの頻度に関するブログはこちら

より詳しく知りたい方は、下記よりベストプラクティス集をご覧ください。

「ベストプラクティス集 – サーベイの回答率を高くする 」をダウンロード

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内海 雄介(Utsumi Yusuke)

シニアマネージャー、プロフェッショナルサービス

日本のプロフェッショナルサービスチームのリーダーとして、日本を始め、東南アジア、韓国のクライアントに対して、顧客体験プログラムの設計、ITプロジェクトマネジメント、顧客体験プログラムに関するコンサルティングを提供。保険業界、通信業界、eコマース業界、製造業など多岐に渡る業界のクライアントに従事した経験を有する。現職の前には、SIer、コンサルティング会社、eコマース会社にて、プロジェクトマネージャーとして10年以上、ITプロジェクトに従事した経験を持つ。シンガポールのナンヤン工科大学でのMBAを保持しており、ITだけでなくビジネスに対する幅広い知見を持つ。